催眠療法(ヒプノセラピー)の技法

ヒプノワーク心理療法室では、リラクゼーションやイメージを用いた催眠療法を行っています。どの方法を用いるかは、あらかじめ決めて当てはめるのではなく、相談内容や状態をお聞きしたうえで一緒に考えます。

催眠は、意識を失わせたり、本人の意思に反して何かをさせるものではありません。心身の緊張をゆるめ、自分の内側にある感覚やイメージに安全に近づくための方法として用います。

  

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催眠療法(ヒプノセラピー)とはどのようなものかについての全般的な説明は、次をご参照ください。

→ 参考ページ:催眠療法(ヒプノセラピー)とは

リラクゼーション

催眠療法(ヒプノセラピー)に欠かせないのが、リラックスと言っても過言ではないでしょう。心と体をリラックスするには、気持ちの良い深呼吸が効果的です。普通に深呼吸するだけでも良いのですが、職場などで他人に気づかれないでさり気なく、しかもほんの数秒で行えるようなリラックス催眠もあります。

また、ゆっくりと時間をかけて行う弛緩法などの身体の力をぬく催眠療法もあります。これらは多少根気よく練習すれば、自分で行うことも可能です。

自己催眠法

リラクゼーションの催眠療法を自己催眠として行うことも可能です。少しご自分で練習していただいて自己催眠をマスターすることができます。当方ではそのようなご指導も行います。

セラピーを継続していただく場合、ご自分で自己催眠やマインドフルネス瞑想を行うことは、症状改善の近道だと考えています。

自己催眠はいうまでもなく、自分で自分にかける催眠ですが、これをマスターするにはセラピストに催眠をかけてもらって催眠状態を体験しておくことが必要だと思います。催眠状態とはどんな状態かを一度でも体験されると、自己催眠の場合でも催眠状態に入るコツがつかみやすくなるからです。

自己催眠やマインドフルネスをご自分で続けていただくことは、カウンセリングの効果を定着させる助けになります。必要に応じて、無理のない練習方法をお伝えします。

メンタル・リハーサル

人前で赤面して上手く話せない。吃音が出る、あるいは、いよいよ就職が決まってもうすぐ新しい環境に入っていくのだが、不安で仕方がない。どうしても朝、学校へ行こうという気になれないなど、様々なケースがあります。

これらを解決するには、催眠とカウンセリングによって自分との対話を行い、気づきを得ていく必要があります。

更に、イメージ療法としてのメンタルリハーサルを催眠療法(ヒプノセラピー)の中で行います。例えば、人前で堂々と話をしている自分をイメージしたり、新しい職場などで溌剌と仕事をこなしている自分の姿をイメージする、学校へ堂々と元気よく出かけて行く自分をイメージするなど、メンタルリハーサルの催眠療法によって、なりたい自分に近づいて行くことが可能です。

イメージ療法

当方でよく使うイメージ療法には、壺イメージ法や四季の窓という技法があります。

壺イメージ法は田嶌誠一先生による技法です。クライアントの様々な感情がひとつひとつ壺の中に納められているという暗示誘導によって、目の前にいくつかの壺が見えてくるというものです。そして、誘導により壺の中に入ることによって自分の感情をもう一度再確認したりできます。また、とてもそこには留まれないという辛い壺に遭遇する場合もありますし、その中には傷付いた幼い自分が入っているというようなこともあります。そこから、インナーチャイルドへの誘導も可能ですし、幼い頃の思い出の場面に入ることも可能です。

もし中にいるだけで深い癒しを感じることができる壺が見つかった時には、そこでヒーリングを満喫することも可能です。そして、強化された自己へと結びつけるなど、セラピストは様々な誘導を臨機応変に行うことができます。

(参考文献:田嶌誠一『壺イメージ療法 その生い立ちと事例研究』創元社、1987年)

その他にも、鏡の中に理想の自分を見ていくという誘導や、ビデオスクリーンに映る自分を見ながら退行するなど、様々な方法があります。

イメージを使う療法は催眠以外にも色々あります。それらが解説されているものでは、アニーズ・A・シェイク著「イメージ療法ハンドブック」があります。


暗示文作成

ヒプノワーク心理療法室では、イメージワーク・催眠療法の暗示文作成にあたり、認知療法を用いて認知のゆがみがどこにあり、それをいかに修正するかをクライエントと共に考え、新しい気づきと認知パターンを確認します。そして、認知療法によって見えてきた改善すべき点を踏まえて、暗示文を作成します。

自己催眠法を練習していただき、録音を使ってご自宅で自己暗示を繰り返し行っていただくようにしています。やがて暗示の言葉は潜在意識にしっかりと刻み込まれて行き、新しいあなた、なりたい自分の実現へ向かって行きます。

たとえば、有名な暗示文にエミール・クーエによる次のような言葉があります。「あなたは日々あらゆる面でますます良くなっていく」

年齢退行催眠

幼少期のトラウマを癒そうとするものです。年齢退行は真性年齢退行と疑似年齢退行の二つに大別できます。

真性年齢退行は退行した年齢のしゃべり方や動作まで伴うような催眠状態となります。疑似年齢退行は現在のままの年齢の自分を意識したままであっても、忘れていたような懐かしい幼少の頃の気分が蘇り、その頃遊んだ広場にはどこに洞穴があったなど、細かい記憶が蘇ったりします。そして、幼少の頃のトラウマと向き合って行きます。

思い出せば癒されるという考え方がありますが、思い出すからにはしっかりとそこでの心の傷を癒す作業を行う必要があります。人格交代という催眠療法の手法など、様々なテクニックを年齢退行催眠の中で行うことが可能です。

しかしながら、疑似記憶の問題もあります。人間の記憶は正確なものばかりとは限らず、意図せず修正されていたり、勘違いがそのまま事実のように思いこまれていることもあります。それゆえ、あくまでも年齢退行催眠は過去をイメージ化したものであり、タイムマシンのように過去の中に入って行き、そこでふるまうというようなものではありません。年齢退行催眠は「いま、ここで」の意識を変えるための一つのツールであり、変えるべきは過去ではなく、現在の意識なのです。そのためのイメージ療法が年齢退行催眠であると考えています。

その他のイメージ療法

相談内容によっては、前世イメージ療法、インナーチャイルド、胎児期退行催眠など、より象徴的なイメージを扱う場合があります。これらは事実を証明するためではなく、人生の意味、喪失感、深い感情の整理などを扱うためのイメージ療法として用います。

→ 前世イメージ療法の説明へ

インナーチャイルド

インナーチャイルドのワークは、幼い頃の自分をイメージの中でいたわり、現在の自分との関係を整える方法です。年齢退行催眠と重なる部分がありますが、特に幼い自分への癒しを重視します。

これによって、成人した自己が魂の解放へと向かうことを目指します。子供の時の自分が癒されるイメージで、その後の自分が癒されるという、時間を超えたイメージ療法とも言えるでしょう。

参考図書としてはジョン・ブラッドショー著「インナーチャイルド」NHK出版などがあります。

胎児期退行催眠

胎児期退行催眠療法では、母親のお腹の中にいた頃まで退行したイメージに入ります。お母さんのお腹の中にいた頃を思い出し、母胎内の羊水の音や心臓の音が聞こえたりします。もっと遡れば、何を目的として生まれようとしているのかを問い直すことも可能です。例えば、「嘘はつかないんだ」などと、子供口調で自分の人生の目的を簡単に表現する人もいます。

また、生まれた直後の両親との出会いの場面や、病院内の様子なども思い出せたりします。

この催眠療法(ヒプノセラピー)は前世療法ほど一般的ではありませんが、大きな気づきをもたらす催眠療法の一つです。

参考図書には次をお勧めします。

M・ゲイブリエル夫妻著 「胎児は語る」 潮文社

T・バーニー著 「胎児は見ている」 祥伝社(元ハーバード大学講師、医師による胎児は意識を持っているという観点に立ち、上記著作「胎児は語る」と極めて合致した内容。)

催眠療法を用いる際に大切にしていること

催眠療法は、相談者の意思や安全感を尊重しながら行います。無理に深い催眠へ入ることを目指すのではなく、その方にとって必要で、安心して取り組める範囲を大切にします。

必要に応じて、EMDR、認知療法、マインドフルネス、フォーカシング、箱庭療法などと組み合わせ、総合的に支援します。

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